2013年02月04日
お手軽ルアー「チョコビィ」に関して。
前回の大崎つりぼりで大活躍してくれた自作ルアー「チョコビィ」に関してまとめておきます。
このルアーを作ったきっかけは那須高原ルアーフィールドのペレット撒きに対応するためでした。
ペレットの色と形を意識して作りました。
那須高原ルアーフィールドの規定に違反しないようによう、21mmという大きさにしました。
簡単に安く、誰にでも作れる事がポイントです。
実際に使用をしてみて、ペレットタイム以外での使い道、特にボトム用プラグとしての可能性が見られたので、今後は様々な使い方を模索していこうと考えています。
このルアーの特徴を簡単に言ってしまえばこういうことです。
・とにかく安くできます。 1個の作るのにかかる材料費は約84円!!
・作るのも手間がかかりません。 30分もあればできます。
・特別な道具も必要ありません。
・ペレットタイムはもちろんよく釣れます。
・シンカーを貼ることにより簡単にプラグの性質を変えられます。
・その場で手軽にフローティングにもシンキングにも調整可能です。
・フローティングやサスペンドはトッププラグとして使えます。
・シンキングならリフト&フォールで誘えます。
・シンキングのゆっくり引きでボトム狙いのプラグになります。
使う道具は、木工用のこぎり、紙やすり、千枚通し(錐)、接着剤、カラーラッカーです。
これらは全て100円ショップで購入できます。
まずは作り方を簡単に説明しちゃいましょう。
最初に使う材料はホームセンターに売っているヒノキの棒です。

これは直径1cmで長さが10cmの棒。
10本セットで98円で売っていました。

これを21mmの長さに切ります。
100円ショップの目の細かい木工用のこぎりや木工用糸ノコで十分良く切れます。
木工用の糸ノコがあるとすごく楽です。

とりあえず切り口とかは気にせず適当に切っちゃいます。
その次に紙やすりで切り口をスムーズに仕上げます。
フックが付く方は少し丸みを持たせてトラウトが食いつきやすいように気持ちを込めて擦ります。

弾丸みたいなかっこになりましたね。
アイを差し込む位置を決めるのと、真っ直ぐに入るように穴をあけます。

千枚通しあるいは小型の錐、クラフトピックなんかで十分です。
ドライバーセットに付いてくる穴あけ用のピックが使いやすいです。
穴が空きました。
両側に開けてくださいね。

この穴に接着剤(できればゼリータイプ)を一滴たらします。

接着剤は無ければ無くてもいいかもしれません。
でもあったほうが安心かな。
その穴にスクリューアイをねじ込みます。

使うのはスミスのルアー用スクリューアイC-7です。
楽天通販で10本入りで141円です。
自分はやや高くなりますが、太田のオジーズや佐野のアカサカ釣具で購入しました。

注意点です。
・真っ直ぐに入れないとボディが弱くなるので曲がらないように入れましょう。
・根元まで深く入れた方が安定感ありますね。
・両側のアイの向きを合わせましょう。
両側に付けるとこうなります。

だいぶそれらしくなってきましたね。
ここでシンカーを張り付けるのは好みとなります。
最初に作った時は重しがわりにネジを打ち込んだんですが、その後に同じようにするとヒノキが耐えられずに縦に裂ける事が多かったです。
なのでネジの重りは止めました。
代わりに普通のチューニングシンカーを張りました。
スミスのチューニングシンカー6mm(0.12g)を1枚貼るとフローティング、2枚貼るとサスペンド、3枚貼るとスローシンキングになりました。
最低限1枚は必ず貼ってください。
1枚も貼らないとルアーの向きが決まらずフックが変な方向を向く可能性が高いです。
取りあえず1枚貼っておいて、必要に応じて使う時に追加するのがいいと思います。
シンカーを貼る時の注意点です。
・アイの向きを見て、アイとシンカーが直交するようにするように貼りましょう。
・少なくとも1枚は接着剤を付けて簡単には取れないようにしましょう。
次は色付けです。
いろんな補強剤とかあるし、高級な色付け素材もありますが、ここでは100円ショップやホームセンターで売っているカラーラッカースプレーを使います。
色はブラウンとかチョコレートとかそれらしい色を適当に選んでください。
やや濃い目の茶色が最もペレットの色に近いですが別にペレットの色に拘る必要はありません。
屋外に持っていって買い物袋の中とかでシュッシュッとやってきます。
そして一晩どこかに吊るしておきます。

乾燥するとこうなります。

これにダブルリングとフックを付けると出来上がり。

かかる費用を計算してみます。
[木材]
10cmのヒノキ棒が10本で98円。
1本から4個できるので98円で40個作れます。
1個あたりの単価は2.45円ですね。
[スクリューアイ]
10本で141円ですから、1本14.1円です。
2本使うので28.2円となります。
[リング]
ヤフーショッピングで検索してみると、安い物だと32個入りで189円でした。
1個あたりの単価は5.9円になります。
2本使うので11.8円になります。
[フック]
SP31BL#7の50本入りがヤフー通販で1512円です。
1本あたりの単価は30.24円ですね。
[シンカー]
スミスチューニングシンカー6mm(0.12g)がタフー通販だと25枚入りで283円です。
1枚当たりの単価は11.32円になります。
最低限使うのが1枚なのでこれで計算してみます。
合計すると84.01円でした。
実際のところリングやフック、シンカーなどは、たぶんほとんどの人が手持ちにあると思うので、改めて購入するのは木材とスクリューアイくらいじゃないでしょうか。
それだけだと30円くらいでできますね。
あとは色付け用のラッカーや紙やすりなどは購入する必要があるかもしれません。
作製する上で一番めんどくさいのが紙やすりで削るところですね。
目の粗いのでガリガリ削って、目の細かいので仕上げるのが良さそうです。
これはあくまでも気楽に簡単に作る方法なので、塗料が落ちやすいとか、水を吸って重さが変わるとか、いろいろ問題がないわけではありません。
でもこの程度の資金と労力で、ある程度はちゃんと釣れるルアーができるならやってみても損はないと思います。
とりあえずこれがスタンダードの色と形になります。
あとは自分なりの工夫ですね。
フロントフックを付けてフックを2本にすると掛かり易くなるかもしれませんね。
セルロースやウレタンの皮膜を施すと耐久性が上がりそうです。
ボディに溝を入れて周囲に水流ができるようにするとかも面白そうですね。
試みてるのがカップ部分を斜めに削って浮き上がり難くしたり、逆に浮き上がり易くする工夫です。
ボトム狙いやトッププラグとして考えるのであれば多彩な色付けができると面白いでしょう。
ボディに彫刻刀で模様を削っても面白そうです。
次にチョコビィの使用法の説明です。
このルアーの特徴はウェイト変更により様々なタナでの使用が可能になることです。
まずはシンカーを1枚貼ったフローティングタイプです。
着水後の姿勢を見てみましょう。

シンカーを貼る位置により姿勢が若干変わると思いますが、基本的にはフック側を少し下げて、スナップ側を水面から少し出して浮かびます。
水面付近で使う時はフックは前向きがいいでしょう。
トラウトの下や横からのアタックに幅広く対応できそうです。
実際のチョコビィFの動く様子を動画で見てみましょう。
水面に浮いているところから動かして見ます。
撮影はストップ&ゴーくらいしかできなかったのですが、それなりにプラグは動いてくれました。
ロッド操作で工夫すると様々な動きを演出できます。
フローティングタイプの使い方は基本的にいわゆるトッププラグと同じでいいと思います。
シェイキングやスプラッシュ、ポッピング、ピョンピョンアクション、ほっとけ等々。
本格的にトップ用に使うのであればカップ部分を少し削って凹面を作ると面白いかもしれません。
次はシンカーを2枚貼ったサスペンドタイプです。

フローティングタイプと同じ様な姿勢のまま水中を漂います。
写真ではシンカーが3枚に見えますが一番後ろの白い所はシンカーを剥がした跡です。
実際に動かしてみましょう。
最初はただ引きしてみます。
水中での動きも水面での動きと大きくは変わらない印象です。
ただ引きだと、ゆっくりと微かに上下あるいは左右に揺れながら移動しています。
速く巻くと揺れが大きくなりますが、浮かび上がってきます。
次にアクションをつけてみましょう。
ラインを引いて止めて、くらいしかできないのですがそれなりに動きが付いています。
フックの動きを見ると左右にはあまり動かずに、上下によく動く印象を受けました。
サスペンドタイプの使い方は正直まだよく分かりません。
表層直下や中層で使用することになるのかもしれませんが、泳ぎではなくアクションで誘うことが重要になると思われます。
ストップ&ゴーが基本になるのは間違いなさそうです。
サスペンドタイプのミノーの使い方を念頭に置くのがいいのでしょうか。
まだ使い込む機会がないので正直分かりません。
今後の課題にしていくつもりです。
最後にシンカーを3枚貼ったスローシンキングタイプです。

ゆっくり沈んでいき、ボトムに落ち着きます。
ボトムで使用する場合はフックは後ろ向きが良さそうです。
チョコビィSSは、シンカーの重さによる沈んでいく性質とプラグの材質による浮かび上がり易い性質が重なって、他のタイプに比べてけっこう変化が付け易いと感じています。
通常の使い方として4つの動作を撮影してみました。
大崎つりぼりで試した時はいずれの動作時にもトラウトが掛かってました。
最初に着水後のフォールの様子を見てみましょう。
着水後、水面下5-10cmのところで一時停止して、その後ゆっくり沈んでいきます。
着底後は、フックは寝た状態になります。
スローシンキングタイプの使い方は多彩です。
まずは着水後にステイ。
ゆっくりフォールしていく途中にバイトが来ることがあります。
底まで落ちたらアクションの開始ですが、実は底まで落ちたか分かりづらいんですよね。
ラインの弛みとかで判断するんですが、少し余分にステイ時間をとるのがベターかもしれません。
底を取った後のアクションは大きく分けて3つの方法があります。
1つはリフト&フォール。
このプラグの場合は、多くは緩やかで大きなカーブを描く動きになると思われます。
フワッと浮き上がってゆっくり沈むのを繰り返しながら寄せてきます。
ロッドは固定したままリトリーブ速度を変えるだけで浮き沈みを簡単に操作できます。
最初に速く巻いてみてプラグの浮き上がり具合を掴むのがいいと思います。
このくらいで巻けばこのくらいの勢いで浮かぶんだと分かればリフト&フォールは容易くなります。
基本的にゆっくり大きく動かしますが、ピュッと引いてゆっくり落としたりすると微妙に異なる動きになります。
フォール中に小さなリフトを入れながら落としていくと(リフト&フォールしながらの巻き落とし)テンションを感じながらフォールさせられて使い易いかもしれません。
2つ目はゆっくり巻きによるレンジキープ。
底を取ったところからでもいいし、少し巻き上げてからでもいいかもしれません。
狙いたいタナに合わせて巻き上げて、その後は巻き方をゆっくりにして一定層を泳がせます。
スプーンの使い方に近いと考えていいのかもしれません。
3つ目が巻き上げ。
底を取ったところから徐々に浮き上がってくる速さでただ巻きすることにより、浮き上がりを狙ってトラウトが食いついてきます。
ボトム用プラグの使い方としては、スプーンのボトムテクニックでいいのかもしれません。
ただルアー自体はヒラヒラ泳がないし、塊がフワッと浮いたり沈んだりする感じになると思うので、動きはスプーンとは全く異なると考えていいでしょう。
このチョコビィの使い方のキモは、たぶんウェイト調整になると思われます。
自分は以前から、細かいウエイト調整でプラグを浮かせたり、ゆっくり沈めたり、漂わせたりさせる変化を、釣りしながらその場で気楽にできればいいなぁ、と思っていたんですよね。
市販クランクもシンカー貼ればタナが変わりますよね。
でも泳ぎや使い方が大きく変わることは少ないです。
例えばディープクラピーの頭にシンカーを一枚貼ると潜りやすくなります。
素早く潜ってボトムを狙いやすくなります。
そしてゆっくり巻いても浮かび上がりにくくなります。
これは手軽にできるんですが、ディープクラピー自体の泳ぎやアピールの仕方を変えるんじゃなくてアピールする場所と速度を調整するのが大きな狙いですね。
それ以外の狙いに関しては自分はまだよく分かりません(知識不足ですみません)。
今年からZAGGER50F1ボトムチューンを使うようになって本来のプラグの使い方と全く異なる使い方をウェイト調整でできることに興味を覚えました。
ただこれは意外とめんどくさいんですよね。
重心を大きく変えるためシンカーを何枚も貼らなければなりません。
釣り場で簡単に付けたりはずしたり、というわけには参りません。
しかもお金が結構かかりますので1回セッティングすると、当面はそのままで使うことになります。
釣り場で気楽にウェイトを換えるのって案外出来そうでできないんですよねぇ。
今回チョコビィを使い始めて、その微妙な重さと浮力がとても気になりました。
作った後に水に浮かべてみると当然ハイフロートなんですけど、試しにシンカーを1枚貼るとトッププラグのようないい感じのフローティングになったんですよね。
さらに1枚貼ると、いったん水中に消えてその場でユラユラしながら漂ってくれました。
そしてシンカーを3枚並べたらゆっくり沈んでくれました。
たった1枚のシンカーでここまで大きく動きを変えられるんなら釣り場でもその日のコンディションで臨機応変に使えるんじゃないかな、と思いました。
ここで重要なのがシンカーを貼る、剥がすという簡単な作業だけで自分のその時使いたいタイプのプラグに変えられるってことです。
使うシンカーは1種類だけで、貼ると剥がすのバカチョン設定。
1枚でフローティング。
2枚でサスペンド。
3枚でスローシンキング。
極めて簡単で分かりやすい調整の仕方になりました。
シール式のシンカーさえタックルに忍ばせておけば、朝まずめにトップを狙って、暖かくなってきたら中層で、寒くなったらボトムでと同じプラグでできる、こんな使い方も楽しそうじゃないですか。
もちろん一つのプラグしか使わない方がいいなんて思ってはいません。
いろんな種類や色を変えながら楽しむのもルアーフィッシングの楽しみ方ですよね。
でも釣り味が良く、まだそのプラグを使い続けたいなと思っている時にトップでの反応がなくなって、同じプラグで表層より少し下を狙いたくなることってありませんか?
自分は結構そういうことがあります。
もちろん今までのプラグもウェイト調整することにより変化を付けられますが、浮かぶルアーを沈めたりすると泳ぎも変わってしまって、そのルアーの魅力が半減してしまったりとかありますからね。
特にトッププラグはウェイト調整が極めて難しいです、というか自分はほとんどしませんね。
プラグが重くなるとアクションの付け方やロッド操作に対する反応が変わるのでかなり使いにくくなると思います。
以前からこんなのがあったらいいなぁって考えているのが釣りしてる現場での簡単なルアーの調整機能なんですよね。
どんなのを考えていたのかというと、例えばダイヤブロックみたいな感じでピースを組み立てて違うプラグに変形させるとかですね。
使っているプラグに別のパーツをパチンとはめることにより、少し長めのルアーに変身。
さらにもう一つパーツをはめることにより細長いクランクに変身とかね。
言ってみれば、合体ロボ型ルアーですね。
超合金じゃなくてもだいじょうぶ!
あとはもっとアナログな感じだと、タレビンみたいな物。
タレビンっていうのはお弁当についてくるソースやお醤油を入れるあの小ビンの事です。
いい形に造形して、テールにフックを付けます。
スクリュー式のふたの部分が取れるようにしておいて中を空洞にするんですよね。
その中にポンドの水でいいから入れて重りにします。
その日の好みで中の水の量を換えてウェイト調整できれば、いろんな変化を付けられて面白いなぁ、とかね。
これだと重りがポンドの水なので地球に優しい!
アイディアは浮かぶんですが、実際作れるかと言えばそう簡単にはいきませんからねぇ。
ちょっと話がそれました。
チョコビィの使用に際して、とにかくシンカー1枚を貼ったり剥がしたりで、簡単にプラグの性質を変えられるのが自分的にはすごく気に入ったんですよね。
まだ作ったばかりなんですが、すでに愛着が湧いてきています。
以前もブログに書きましたが、自分の性格は納得したものにはとことんこだわる傾向があります。
当面はチョコビィの製作と改良を行いながらルアー作製の勉強も行っていきたいと思います。
現時点ではチョコビィに関して言えるのはここまでです。